HIPHOP

ストリートアート
Banksyを観にいく
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グラフィティ

ヒップホップの要素の一つ「グラフィティ」について焦点を当ててみる。
町の壁をキャンバスとして用いてアート活動をすることを主に指し、ペンキやスプレーで描かれている。これらの多くは落書きとして日本では迷惑行為として禁じられているが、一部では芸術活動の一環として認められており、適切な場所で描かれたものに関しては市民権を得るようにもなっている。
大半が落書き、器物損壊行為として取り締まられているが、美術性を認められた、あるいは都市計画の一環としての範疇での活動は容認されており、時には「ストリートアート」とも呼ばれている。
そんな中で個人や集団のマークとして描いて回ることを「タギング」と呼ばれ、これらは一貫して迷惑行為として取り締まられている。この「タギング」は主に人気の無い時間帯を狙っての活動が主で、場所などは特に選ばず神出鬼没で残されていることがほとんどである。
これらは都市景観を乱すとされ、その地域が十分に管理が行き届いていないと判断され、犯罪が誘発する恐れもあるため、それらは「ヴァンタリズム」と判断される。
「ストリートアート」と「タギング」の違いは何なのか、それはテーマ性があるかどうかである。

マイク、ワンツー!

ストリートアート

「ストリートアート」とは題材を用いた作品であり、主にエロティックで公共の場所にはやや難のあるヌードや、独自のアニメやカートゥーン風のキャラクター、または写実的なモノやポップなモノまで様々で、描く側の趣味志向によって幅広い様式が存在する。あくまでアーティストが描く芸術的表現を認可するという目的であり、ゲリラ的に深夜の時間帯を見計らっての行為は犯罪行為とみなされ、それ以外では日中に制作されることがある。

ストリートアートの制作

既に乱雑な落書きのある壁面などに描かれる物が多いため、下地となる色を一面にスプレーする所から始める場合が多い。このため速乾性のラッカースプレーを用いるケースも多いが、特に下地を厚くするためにゴム塗料を用いるケースもある。前者は仕上がりは悪いものの早く仕上げることができ、後者は仕上がりは遅くなるが塗料の定着や発色が良いとされている。雨風の耐久性も、後者の方が高い。
スプレーペンキで絵を描いていくが、大量のペンキを使用するため、シンナーなどの有機溶剤から身を守るためのガスマスク着用が望まれる。描く上では、淡い色から始めて、徐々に濃い色を上に乗せて行く方法が取られる。逆にすると下地の色がにじみ出てしまうために仕上がりが汚くなってしまう。
壁面などに描く際には、液垂れを防ぐために少量ずつ丹念に遠くから、または素早く一気にスプレーするが、シャープな線を出す場合は、吹き付けられる塗料を遮るために厚紙やクラフトテープなどでマスキングする手法が取られる。また細部にはスプレーペンキだけではなく、絵筆や刷毛・ローラー等とペンキを利用して描く場合もある。ただ絵筆や刷毛といった道具を利用すると、それらの扱いに手間が掛かると敬遠される事も多いようで、予め用意したマスキング用の厚紙とスプレーペンキだけで制作する場合も多く見られる。
こうして次第に絵の格好になってきたところで、黒などの濃い色を使って境界線の書き入れや縁取りなどを施して完成する。

タギング

「タギング」とは、ヒップホップが発祥した当初、ストリートギャング間での縄張り主張を意味する用途で用いられているのが本質だが、現在では本当にただの落書きとして描かれ、意味の無い記号やタギング自体をファッションの一部として取り入れられており、個人的な存在主張の発露・低年齢化の傾向を感じさせる。
またタギングを用いることで武器や麻薬の取引・売春の斡旋などを行うために、警察からの隠れ蓑として用いられている歴史もある。

日本でのタギング

日本では1980年代からギャングを真似たモラトリアム・ファッションが流行した一環で、これを機に都市圏でストリート・アートやタギングが散見されるようになった。
従来のタギング行為では主に道路脇や鉄道高架下の壁面などに描かれており、これらの中には描いた個人・グループの遊び心がふんだんに含まれストリートアートの影響が色濃く見られた。アートを思わせる物はグラフィティと呼ばれ、タギングとは全く別の物である。タギングの定義は主に名前・縄張り主張・メッセージの為だけに書かれる、ただの印である。

互いの本質

この二つの違いをあげるだけで、本質的に全く違うことが伺える。前者はあくまで芸術活動の一環として、幅広く容認されやすい一方で、後者はただ己の存在を知ってほしいという独善さ、犯罪という存在を隠蔽するために利用するということで大きく、行為の意味を隔絶的にかけ離れている。
ではこれらが町へと与える影響というものがどの程度になるのかを考察してみる。
ストリートアートとして用いられた場合、都市景観を損ない犯罪を誘発する危険性も孕んでいるものの、一部地域における経済活性化を目的としてアートが行われていることもある。完成度の高いストリートアートはタギング防止や張り紙広告防止などの効果も孕んでいたが、現在では乱雑に描かれてしまう描き手のモラルの低下のため、現在ではあまり意味を成さない。

スラングを学ぼう!